写真提供:こぎんフェス実行委員会
写真提供:こぎんフェス実行委員会

 

  桜の見頃を迎えるゴールデンウィークの弘前。多くの観光客が訪れるこの時期に、弘前駅前にあるヒロロでは「こぎんフェス」というイベントが行われている。2012年から始まったイベントも次回で5回目。第3回から実行委員長を務めている川村正弘さん(51)に話を伺った。

「第1回から携わっていますが『こぎんは昔のもの』というイメージがありました。でもフェスを通して『こんな現代風のモノがある』と感動しましたね。それ以来、こぎんの小物を持つ人を見ると親近感が湧きます」。関心が薄かった川村さんも、今や大のこぎんフリークだ。

 最初のこぎんフェスは弘前駅前にあった洋服屋セレクトショップ「インクルーズ」で開催された。こぎんをモチーフとした作品を手掛けるデザイナー、山端家昌さんの新しい感覚に惹かれたオーナーが「作品展をやらないか」と話を持ちかけたのがきっかけだったという。当初は店単独の主催で規模も小さかったが、第3回から会場をヒロロに移した。今やこぎん界の一大イベントに成長し、県内外はもちろん、遠くは台湾や香港からもこぎん好きが集まる。

 その内容はまさにこぎんづくし。作品の展示やワークショップ、こぎんの未来を考えるトークイベント……などなど。作家自らが店頭に立つ販売ブースも評判がいい。「全国に散らばる作家さんが一同に(プロ・アマ問わず)集まります。作家さん達にとっては同窓会みたいな感じですね」。フェスをきっかけに作家同士のコラボにも繋がっている。こぎんは人との繋がりが多いほど魅力が上がるような気がすると川村さんはいう。

 5回目の節目となる今年は、こぎんの歴史を振り返る、ということで古作こぎん刺しの展示などを企画している。「入り口は何でもいいと思ってます。自分もそうでしたからね。そこから歴史やストーリーにも興味を持ってもらう〝きっかけ〟の場でありたいです」

(記事内の情報は2016年取材当時のものです)

 

写真提供:こぎんフェス実行委員会
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